金沢屋



殺菌灯


なんば味噌作り

 福井の姉から貰った「青長甘なんば」で昔母が造ってくれた、なんば味噌を造ってみた。熱々のごはんにのせて食べた夫「こりゃあうまい」。

 漆器の里構想が失敗に終わり、私達夫婦で残念会の小旅行になんば味噌をビン詰めにして持参。朝食に出してみたところリーダーのかのさんも「こりゃあうまい」と。旅行から帰って来て夫が「商品化出来るのじゃあないかな」の一言。

 平成十二年十月。意を決してまず、保険所を訪れ、色々と教えてもらいました。(和田先生)
 
 食品加工場造りは夫の担当です。毎日昼休みになると「カンコンカンコン」。近所では何事が始まったのか、いぶかしく思ったことでしょう。(笑)

 その間私の方は毎日味噌作りの研究でした。年中通しで作るには青長甘なんばは量をそろえるのもむずかしいんです。スーパーなどに年中出しているこの手のものといえば『ししとう』。

 ししとうの本当の名前はししとうがらし。つまり、「なんば」の一種なんです。青長甘なんばを使った味とおなじ味に仕上げるのに試行錯誤を繰り返しました。

 ししとう、パックなどの仕入れは息子の担当であり、インターネットで調べてもらうことに。こんな時、インターネットってほんとに便利なもんやねと感心しました。

 なんば味噌造りは長時間火にかけて練り上げるので、シャモジで鍋の中をしょっちゅうかき回していなければなりません。片時も手を離すことが出来ない作業なんです。そこで卓上ボール盤の回転を落として大鍋の中で回転板を回すことにしたのです。

 準備万端ととのった平成十二年十二月二十五日。加工場の図面を持って再び保険所を尋ね、その旨を申し出ますと和田先生「そうか、今からでは年内に間に合うかわからないがとにかく今から見に行く」とおっしゃってその日の内に検査合格となり翌十三年一月一日付で「そうざい製造業」が許可されたのです。

 製品の売り込みなどにも色々と苦労したけどとにかく今日までなんとかやってこれたのも家族のみんなのお陰であり、お客様のお陰と思っています。ありがとうございました。

 味噌と言えども食品ですから今後とも衛生第一に頑張って行きたいと思ってます。

 このように書いてきましたが、すべてが順調にいったわけではありませんでした。

 あれは何年目だったか。雨の日が長く続いたある日、納品した店からカビが出たと言う話が飛び込んできたのです。一瞬私も夫も真っ青に!!

「どうしよう!!!」。

 奈落の底に突き落とされたような、どうしようもない不安な気持ちで時間が過ぎました。

『保険所へ行こう』と夫が力なくつぶやいて・・・。そうするしか方法はないだろうと、カビの生えたパックを持って保険所へかけつけました。

 和田先生ともうひとりの先生とで顕微鏡を覗きながら色々調べていたが、どうもわからないと言うことです。そこで石川県ではカビの権威と言われている農業短大の矢野先生を紹介して下さったのです。

 矢野先生は「このカビは人体に影響するカビではない」とまずおっしゃり、殺菌灯の取付や保管場所などカビを防ぐ方法を色々教えて頂きました。

 帰ってからその事を和田先生に報告したところ、先生も我が事のように大変よろこばれ、「今日の顔はこの間の顔とは全く違う顔やぞ、この間の顔は見れなんだぞや。何かあったらすぐに来いや。」と言われ、これでやっと心も晴ればれ!!

 まるで昨日の事のように思い出しながら、毎日なんば味噌を造っています。



なんば味噌を野菜スティックと一緒にいかがですか♪


久津見カヨ子さん から戴いた文章です
[ 2007年7月 ]



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